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公開日:2022/08/15  最終更新日:2022/08/08

どうやって住宅の防音対策を進めるべき?工務店でできること

近年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で在宅ワークや外出自粛が促され、家で過ごす時間が増えました。そんな環境の今、ご近所からの騒音をストレスに感じている人も多いのではないでしょうか。この記事では、そんな騒音トラブルを解決する防音対策についてご紹介します。まわりを気にせず趣味に没頭したい人もチェックしてみてください。

騒音に関する近隣クレームは意外と多い

近所の人の騒ぐ声や生活音など、家のまわりの音にストレスを感じたことはありませんか。騒音トラブルはもっとも起こりやすいトラブルのひとつで、騒音を発生させる当事者にも、クレームを言う被害者にもどちらにもなりえる可能性があります。

騒音トラブルの原因には、生活音・楽器の音・建材が膨張したり収縮したりすることで出す音・ウォーターハンマー・住宅の修繕工事の音などが含まれます。騒音をたてないようにするには、扉をそっと閉めたり、テレビの音を下げたりするなど物音をたてないように静かに過ごすことがひとつの手でしょう。

しかし、毎日音をたてないように気を遣って過ごすのは、なにかと窮屈でストレスを感じてしまうでしょう。ある程度のびのびと快適に過ごすためには、やはり住宅の防音対策が必要です。

住宅の防音方法とは

住宅の防音対策には以下の方法があります。(1)遮音性の高い建材を使用する方法、(2)吸音性の高い建材を使用する方法です。また、効果的な防音対策のポイントをあわせてご紹介します。

(1)遮音性の高い建材を使用する

遮音シートを壁の下地に入れたり、遮音マットを床材の下に敷いたり、気密性を高める防音ドアを採用したりすることで、防音対策ができます。新築でこれらの建材を採用できるのはもちろん、リフォームこれらの建材を設置することも可能です。

窓ガラスを気密性の高いものに交換するには170×180cmほどの大きさの窓で7万円ほど、掃き出し窓1か所に内窓をつけるには7~10万円ほどかかります。

(2)吸音性の高い建材を使用すること

吸音ボードなどを天井に設置することで室内の音が室外に響くのを防げます。吸音効果のあるものを取り入れると、音の響き方も変わるので、会話がしやすくなったり、音についてのストレスが軽減できたりしますよ。

壁に吸音シートを入れる場合は6畳で12万円ほどかかり、遮音のタイルカーペットはだいたい4万円、床を全面張り替えるのならば13万円ほど、防音二重床を採用すれば19万円ほどかかります。

効果的な防音対策のポイント

効果的な防音対策のポイントのひとつ目は、天井・壁・床・ドア・窓などの部屋全体に防音対策を講じることです。部屋の一部に防音性の低いところがあれば、そこから室内の音が漏れ聞こえたり、室外の音が入ってきたりする可能性が高まります。

ふたつ目は、遮音性の高い建材と吸音性の高い建材の2種類をバランスよく使うことで音の響きをコントロールすることです。たとえば、遮音性の高い建材だけを使うと、室内の音が響きすぎて、会話しづらくなったり、うるさく感じたりと音ストレスが生じます。

快適な音環境を実現するためには、防音室の用途に応じて遮音性の高い建材と吸音性の高い建材とをバランスよく使用することが重要なのです。しかし、音響をコントロールするには経験と技術が必要なもの。防音室をつくるならば、なるべく豊富な施工実績をもつリフォーム会社に依頼しましょう。

趣味に凝りたい方は防音室もおすすめ

防音室とは、天井・壁・床・ドア・窓などに防音性の高い建材を使用した部屋のことです。防音室なら、部屋の内部の音が屋外に漏れ聞こえたり、屋外の音が部屋の中で聞こえたりする心配がありません。そのため、近所の人に自分が出す音が聞こえる心配をせずに楽器演奏や映画鑑賞、動画配信、カラオケ、ゲームなどを楽しめます。

また、防音室は部屋の外の音をシャットアウトできるため、屋外の音や家にいる家族の気配を感じることなく、趣味に没頭できる空間でもあるでしょう。防音室と聞くと楽器の演奏をする部屋のように思われますが、案外、なにをするにしても便利に使用できるのです。趣味に凝りたい人はぜひ便利な防音室の設置を検討してみてはいかがでしょうか。

防音室の種類

さまざまなことに使える防音室ですが、大きくみっつの種類に分けられます。簡易タイプ、ユニットタイプ、自由設計タイプです。

簡易タイプ

簡易タイプにはブースやテントのような小規模の防音室のことです。工事は不要で組み立てて設置するので、移動もできて便利でしょう。

ただし、ほかのタイプと比べると防音性が低いというデメリットがあります。費用相場はテントタイプの防音室がだいたい10万円、ブースタイプのものが20~70万円です。

ユニットタイプ

ユニットタイプのものは0.8畳ほどのコンパクトサイズのものから4~5畳ほどの使い勝手の良いサイズのものまでさまざまあります。楽器メーカーのヤマハやカワイなどが提供しているもので、楽器演奏に適していますよ。

ちなみにヤマハの防音室は立奏に適した0.8畳のもので希望小売価格は67万1,000円(税込)~、グランドピアノを置ける4.3畳のもので193万6,000円(税込)~です。

自由設計タイプ

自由設計タイプは、部屋全体を防音室に作り変えるものです。立体音響を駆使した鑑賞室を実現可能です。ほかのタイプとは異なり、大規模な工事が必要で初期費用も高いですが、好みや理想を取り入れた唯一無二の防音室がつくれます。このように、防音室をつくるには組み立て式のものを採用する場合と、リフォームをして部屋全体を防音室に作り変えるものとがあります。

マンションや賃貸住宅など、リフォームが制限される住まいでは、原状復帰がしやすい簡易タイプやユニットタイプのものが便利でしょう。防音室の利用目的や設置するスペースの広さに応じて、どのように防音室をつくるか考えてみてください。

防音対策をしっかりとしよう

新型コロナウイルスの感染拡大によって家で過ごすことも増えてきた昨今、ご近所からの騒音をストレスに感じている人も多いのではないでしょうか。近隣住民との良好な関係を続けるためにも、音ストレスなく快適に過ごすためにも、しっかりとした防音対策がもとめられています。

防音対策は、部屋の一部のみではなく全体に対策を講じることでより効果が感じられます。今回ご紹介した遮音性の高い建材や吸音性の高い建材、防音室を利用して、快適な音環境を実現しましょう。防音室が実現できれば、自由に音を出せますよ。

まとめ

音環境は目に見えないため、後回しにされやすい項目です。しかし、家で快適に過ごすには室内の音響をコントロールしたり、屋外からの騒音をシャットアウトしたりすることが重要です。そこで今回は、快適な音環境を実現するためにできる住宅の防音対策をご紹介しました。

その対策とは、遮音性の高い建材と吸音性の高い建材を天井・壁・窓などの部屋全体にバランスよく設置することです。ただし、音響をコントロールするには経験と技術が必要なので、なるべく豊富な施工実績をもつリフォーム会社に依頼しましょう。

そして、趣味に凝りたい人は防音室もおすすめです。防音室には簡易タイプ・ユニットタイプ・自由設計タイプがあります。この記事を参考にそれぞれの防音室の特徴を把握し、予算・使用目的・設置スペースに応じて最適なものを選びましょう。