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公開日:2021/12/15  最終更新日:2021/11/09

工務店とは?ハウスメーカーとの具体的な違いについても解説!


街で見かける「工務店」とはどんな会社でしょうか。ハウスメーカーに依頼する場合と何が違うのでしょうか。家を建てるということは一生に何度もあることではなく、わからないことや知らないことも多いと思います。今回の記事では、ハウスメーカーとの違いについて具体的に見ながら、工務店に依頼するときのポイントなどを紹介します。

工務店とは?

工務店は、地域に密着した中小の建築会社で、フルオーダーで注文住宅を依頼できる会社です。昔ながらの工務店だと、社長が経営や営業の切り盛りだけでなく、自らも職人の一人として現場で腕をふるっていて、その町で家を建てるときや修繕するときに必ず頼りにされている…といったイメージが強いと思います。事実として、そういった形で長年の実績を積み重ねてこられた工務店も全国にたくさんあります。

一方、最近では、ひとことで工務店といっても、いろいろなパターンがあるようです。ここでは3つのパターンに分けて紹介します。

一つは、いわゆる街の工務店です。従業員が数名の小さな規模の佇まいで地域密着型の仕事をしている会社です。

二つ目は、フランチャイズの加盟店という形を取っている会社です。コンビニのフランチャイズと同様に、本部が決めた工法に従って施工を行います。建築資材も本部が一括して仕入れたものが使えて、コストを安く抑えられるメリットもあるようです。同じフランチャイズの加盟店同士でのコミュニケーションが活発な場合、どんどん新しい技術を採り入れている例もあるようです。

そして三つ目が、地域での中堅ビルダーと呼ばれるような企業で、地域密着型を維持しつつも、大手のハウスメーカーのように展示場を設けるなど、ある程度の規模を持って事業を展開している会社です。このように、「工務店」と一口にいっても、さまざまな形態の企業があるのです。

ハウスメーカーとの違いはどこ?

自前の展示場を持つような工務店もあるということになると、大手のハウスメーカーとの違いは何なのでしょうか。続いて、大手のハウスメーカーと比較しながら、その特徴を見ていきたいと思います。

■企業の規模

大手のハウスメーカーよりも小さい規模になります。地域が限定されており、同一地域、同一都道府県くらいのエリアの中にいくつかの拠点を持って、地域密着型をウリに事業を展開している場合が多いです。

■プランの自由度

大手ハウスメーカーが、標準的な仕様にある程度の選択肢が用意されている中から選んでいくセミオーダーメイドのような形になっているのに対して、工務店であれば細かいところまでお客さんと相談しながら作り上げていきます。フルオーダーメイドまではいかなくても、大手に比べると自由度は高いでしょう。

■施工の精度

工務店は職人さんの腕次第というところが否めないため、当たり外れはある可能性があります。工場で作って現場に持ち込むことが多い大手ハウスメーカーと比べると、その辺で見劣りを感じるかもしれません。

■工期

工期は大手ハウスメーカーの方が工務店よりも短くなる傾向があるようです。大規模に展開している分、システム化されて全体の工程が最適化されている部分はあるようです。

■アフターメンテナンス

会社によってまちまちですが、地域密着型の特性を生かして、定期点検を実施していたり、何かトラブルが発生したときにすぐに駆けつけてくれたり、ということをしている会社もあるようです。ただ、統一的なものではないので、会社による独自色が強くなることは否めません。希望するサポートが受けられるかどうかは、始めに確認しておく必要があるでしょう。

一方、大手ハウスメーカーでは全社的な制度が設けられていて、長く安定的にサポートが受けられる体制が整っていることが多いようです。

工務店を選ぶ上で意識するべきポイント

注文住宅の建設を工務店に依頼したいということになったとき、どのように工務店を選んだらよいでしょう。ここまででも書いてきましたが、工務店はそれぞれに得意不得意があり、一つひとつの技術のスキルにも差があるため、どこに頼んでも同じように家が建つというわけではありません。アフターサービス体制もまちまちです。

家づくりに対する思い入れや考え方も違うことでしょうから、建てる本人との相性も大切です。そういった面から考えると、工務店選びに失敗すると、理想の家づくりができなかった、工期が予定より大幅に伸びてしまった、予算をオーバーしてしまったなどといった「こんなはずでは…」と思うようなことに見舞われる可能性もあるのです。工務店はきちんと選んで決める方が得策です。

では、どのように工務店を選んだらよいのでしょうか。注文住宅の建設を依頼する工務店を選ぶ基準としては、まず、長年、その土地で営業していて、売上高や年間施工棟数が多い工務店であることというが一つの視点になります。工務店は地場の企業が多いので、地元での実績が多い会社は地元での信頼関係がきちんと築かれている会社であることが多いのです。

次に、工務店の信頼性を客観的に見極めるポイントとして「住宅完成保証制度」への加入の有無が挙げられます。住宅完成保証制度に加入している工務店を選ぶと、万が一、工務店が倒産してしまった時にも、建築会社の引継ぎで生じた追加費用や前払い金が保証されるため、新たな負担を最小限に抑えられて安心です。また、事業者登録を希望する工務店には審査があるため、加入している工務店は信用力もあると見ることもできます。

その他に見るポイントとしては、有資格者の在籍数なんかも挙げられます。依頼する工務店に一級建築士や二級建築士、一級施工管理技士などの有資格者の在籍数も、技術力を見極めるポイントです。あとは、実際に工務店を訪ねてみて、話を聞いてみるとよいです。工務店によって得意とする工法には違いがあるので、確認を兼ねて、どんな工法でどのように施工した実績があるのか、これまでの施工事例の写真を見せてもらうと、デザインの志向などが判断できます。

その他、家を建てるうえでのこだわりがあれば、それを実現してもらえそうか相談してみましょう。そこで難色を示されるようであれば、他の工務店も当たってみるとよいのではないでしょうか。数社は話を聞いて回ってみてから選ぶとよいでしょう。ただ、希望を伝えたときに難色を示された場合でも、その理由をしっかり丁寧に説明してくれる工務店なら、腕がしっかりしている証拠でもあるかもしれません。

ただ面倒とか、あまり得意ではない、ということではなく、技術的にそういった仕様はこういう点で難しい、というような説明をしてくれる工務店は、しっかりした技術や知識のもとで、あなたのこだわりたい部分についてコメントしてくれていると考えられます。むやみに好感触だったからという理由だけで選んでしまうのも、マズい場合があります。

まとめ

今回は「工務店」に焦点を当てて、その特徴や大手ハウスメーカーとの違いについてまとめました。工務店といってもいろいろな会社があるので、自分に合った工務店が見つかると、家づくりの希望が通りやすくなることはあるでしょう。ハウスメーカーとの違いを認識しつつ、また、ご自身の家づくりに対する考えも意識しつつ、どう依頼するか検討してみてください。