注文住宅を建てるときに必要とされているのは、間取りや外観などのイメージを具体的に家を建ててくれる工務店や建築業者の設計担当者へ伝えることです。しかし、具体的にどのように伝えたらいいのかわからないという人も少なくないため、具体的な伝え方を理解しておくといいでしょう。
家族全員でよく話し合いイメージを固める
まずどんな家に住みたいのか、家族全員で話し合い、納得するまで間取りや外観、庭に至るまで具体的なイメージが固まるまで話し合いましょう。話し合わない限り建ててからずっと「自分のイメージではない」と不平不満を言う可能性があり、家族の絆に大きな影響を及ぼします。
家族の絆を大切にするのであれば、なるべく積極的に意見を出し合い、納得できる家づくりをすることが建築業者たちに伝える前にやるべきことです。具体的な言葉で伝えることが難しい場合、パソコンなどでぴったりと思える写真を紹介し、納得してもらう方法も少なくありません。家族がある程度見ただけで分かるようにすることは重要といわれているため、パソコンやスマートフォンでの定期的な検索が必要といえます。
また、家にどんな設備を入れたいのか、あらかじめカタログなどを取り寄せるのも納得してもらうためには必要です。カタログであればメーカーごとにオンラインで取り寄せられる形となっているため、住宅設備の情報だけではなく価格まですぐにわかります。そのため、予算に合う設備かどうか確認ができるため、具体的に導入を検討することができるのが、一番大きなメリットといえるでしょう。
なお、紙のカタログに抵抗がある場合は、電子カタログですぐに価格を見つけることができるため、自宅のスマートフォンやパソコンでの確認も簡単です。家族で気になる住宅設備や庭の形状、さらに庭に置きたいエクステリアなども確認し、建築業者などと話し合う前に具体的な内容をまとめておきましょう。
業者との打ち合わせのときに導入が可能か、不可能なのかを判断するといわれているため、たとえ多少予算オーバーであっても組み込んでおくと業者が希望を理解しやすいです。
ただし、非現実的なものを導入するようなアイデアは出さないほうが家族の絆を壊さないためにも有効といわれています。そのため、現実的な住宅設備や間取り、家の外観などを伝えるだけではなく、話の上で一言だけ伝える程度にしたほうがいいでしょう。
資料を持参して直接見てもらうようにする
建築業者たちとの話し合いのときには、家族で集めた資料を持参し、直接見てもらうようにしておくと、スムーズに伝えることができるでしょう。外観だけではなく、間取りや住宅設備、さらにドアなど細かい部分の資料もあれば、持参してみてもらうようにすることが、理想の家づくりに必要です。
建築業者と話し合い、土地の広さで希望とする間取りができるかどうか、また、どういった素材なら導入をしやすくなるのかなどを具体的に話し合いをしましょう。特に気に入っている素材や住宅設備、間取りが不可能である場合、なぜ不可能となるのか、代替案はあるのかなどを確認してください。建築業者側が提案した代替案で問題なければそのまま進めますが、どうしても納得いかない場合は一度資料を集めなおして再び話し合いをすることになります。
なぜ資料を集めなおさなければならないのか、理由として言葉ではどうしても齟齬が生じることになるため、写真や動画を集めてみてもらったほうが伝わりやすいからです。口頭で誤解なく言葉を伝えることは難しく、文章などに記してやっと理解してもらうという人も多いですが、動画や写真のほうがより伝わりやすくなります。
注文住宅を建てる場合、施主のこだわりを伝えられるようにするためには、写真や動画を積極的に集めてイメージや設備について伝えるようにしましょう。単純に「クローゼットが欲しい」と伝えるより「部屋と部屋の間の廊下部分をウォークインクローゼットにしたい」といった要望を写真付きで伝えたほうが、わかりやすいです。わかりやすさこそ理想通りの家づくりにするために必要な最大のポイントとなるため、どの程度伝えられるのか考えるためには資料が不可欠となります。
もし万が一資料を用意できない場合は、タブレットやスマートフォンを持参し、参考資料が掲載されているサイトのURLをブックマークし、一緒に見てもらいましょう。見てもらうことによって、満足できる家づくりに取り入れられるのか、専門家のアドバイスを参考によりプランを煮詰めていく形となることが多いです。
全てをかなえられるわけではないから決めておく
もし何度も話し合いをすることに抵抗を感じるのであれば、家族と話し合う段階で、家族それぞれがどうしても譲れない部分を決めておくことです。どうして譲れない部分と譲れる部分を確認し、業者との話し合いのときにどうしても譲れない部分は絶対に守ってもらうように伝えるようにするといいでしょう。業者が話し合いの時に別のプランとして用意しているプランを見せてくれたとしても、納得できない場合は別のプランを提示してもらうことが必要です。
ただし、構造に関しては業者の意見を優先的に取り入れることで、耐震性の高い丈夫な家にすることができるでしょう。施主側としては間取りや住宅設備、建築素材などに注目してしまいがちですが、業者側の意見としては構造や地盤などから考える耐久性などとなります。
たとえば、施主が希望する建築素材を2階に使うと家のバランスに大きな影響を与えてしまうという場合は、耐久性等を踏まえて総合的なプランを提案してもらいましょう。家を建てるときに施主だけの希望だけでは通らないというのは、耐久性や地盤の固さなどからくる家全体のバランスを考えなければならないからです。
また、周辺の街並みとも一致する景観面で納得できるように配慮することも建築業者は考えているため、希望だけでは通らないこともあります。どうしても譲れない部分は業者の代替案だけではなく、自分たちである程度妥協できるラインや代替案を考えて用意しておくとストレスになりにくく速く施工できます。
打合せする時間が長ければ長いほど、誤解を防ぎ双方が納得できる家づくりをおこなうことが可能となりますが、どうしても妥協ができない場合は打合せする時間が長いです。結果として施工がずれ込んでしまう可能性も高いといわれているため、どのくらい納得できるように話し合えるのかが、最大の焦点となります。
注文住宅づくりは納得できるプランで家を完成させることが最大限の大きなポイントとなっているため、どんな希望があるのか家族で話し合いましょう。イメージは言葉だけではなく、スマートフォンやパソコンを使って写真や動画、さらにカタログなどを使うと全員に伝えやすいです。
家族全員で納得できるプランが固まったら、家族で話し合ったときに使った資料を持って建築業者と話し合いをすることが必要となります。家族の理想とする家づくりと、建築業者が考える「安全で生涯住み続けられる家づくり」とをすり合わせ、プランを早めに完成することが希望する納期に家を完成させるために必要です。