理想を詰め込んだ注文住宅、憧れますよね。しかし、注文住宅を建てる際にトラブルが起き、嫌な思いをしてしまうこともあります。そこで今回、注文住宅を建てる際に起きがちなトラブルや、その対処法などについて解説します。注文住宅で失敗しないためにもチェックしてみてください。トラブルをなるべく回避して、理想の住宅を実現しましょう。
注文住宅を建てる際に起きがちなトラブルとは?
思っていたイメージと仕上がりが異なる
打ち合わせで住宅の希望を伝えていても、うまく伝わっていないことがあります。打ち合わせ段階から、施工業者と住宅のイメージが異なる場合です。話し合いだけで決めた内容は、図面や書類に記されていない場合もあります。そのため、しっかり証拠を残し、確認しあいながら話を進めるようにしましょう。
図面と仕上がりが異なる
本来は施主の合意がなければ図面から変更することはできませんが、稀なケースとして図面と仕上がりが異なることもあります。図面などが難しいとプロに任せがちですが、すべてを施工業者任せにはせず、細かい部分まで自らしっかりと確認することが重要です。
工期が遅れる
一般的にしっかりとスケジュールが管理されているものなので、工期が遅れることはないでしょう。しかし、天候や天災などによってスケジュール通りに作業が進まず、結果的に工期が遅れてしまうことがあります。進行具合を担当者にこまめに確認することも必要です。
施工ミス・設備の不具合
注文住宅が完成した際は壁紙のズレや色むらなど、気になる部分が出てくることもあります。これらは施工ミスや雑な作業による欠陥です。また水まわりの設備の不具合や、窓の取り付けの不具合など、設備の不具合が見られることもあります。これらのミスや不具合がないか、引渡し前によく確認しましょう。修正を依頼することや改めて作業してもらうことは面倒かもしれませんが、気持ちよく過ごすためには重要なポイントです。
建築中の近隣トラブル
施工中に発生する騒音やホコリは、近隣トラブルの原因のひとつです。また、建築中は業者の車の出入りが激しくなり、近隣の通行の妨げとなることがあります。大きな作業車が道にはみ出してしまう場合は、とくにトラブルになりやすいようです。「道路使用許可」を申請することはもちろん、施工前に近隣住民に断りを入れておきましょう。住宅完成後、近隣住民とよい関係性を築くためにも配慮することが重要です。
金銭トラブル
注文住宅を建てる際は理想を詰め込みすぎて、予算オーバーしてしまうことはよくあるでしょう。しかし、金銭トラブルはそれだけではありません。たとえば、値引き交渉をしすぎたために作業員が減らされたり、資材の質を落としてしまったり、結果的に納得のいかない仕上がりになることもあります。また、施工業者に追加工事を提案され、あとで高額な費用を請求されてしまうこともあるのです。
さらに、税金や工事着手金など、現金払いをしなければならない諸費用を把握できておらず、いざというときに用意できていないケースもあります。いずれも担当者とこまめに話し合い、その都度費用を確認することが必要です。
トラブルを避ける方法をあらかじめ知っておくことが大切!
担当者と信頼関係を築く
注文住宅のトラブルを避けるために一番重要なことは、担当者とのコミュニケーションを頻繁に行い、信頼関係を作ることです。工期や追加工事などにかかる費用なども、担当者と密に確認・相談し合っておくことで把握できますよ。
内覧時にミスや不具合がないかチェックする
引渡し前の内覧時は、施工ミスや設備の不具合がないか隅々まで確認しましょう。カメラを持参し、気になる箇所があれば写真に収め、証拠を残しておくようにしてください。引渡し後にミスがわかるよりも、引渡し前にチェックしておいた方が、大きなトラブルにつながりません。
施工前に近隣住民に挨拶をする
施工中に騒音やホコリが出たり、交通の妨げになったりするなど、近隣住民にとって近所で新しく住宅が建つことはストレスになりえます。そこで施工前に近隣住民に挨拶回りをし、丁寧に断りを入れておいた方がよいでしょう。着工前の挨拶は施工業者が行うことが多いですが、施主自身も挨拶をした方が、後々のよい近所付き合いにつながりますよ。自己紹介や工程・完成予定日を伝えることで、近隣住民も安心できます。
お金を一括で先払いしない
家が未完成の状態で費用を一括で先払いすると、施工会社が倒産した場合、家が完成することもなくお金も戻ってこないということが起こりえます。大きなトラブルにならないためにも、家が完成する前に支払うお金と、完成後に支払うお金を確認するようにしてください。
万が一、トラブルが起きてしまった場合の対処法とは?
ここまで、注文住宅を建てる際にありがちなトラブルとその回避方法を紹介しました。しかしいくら気を付けても、注文住宅のトラブルが起きてしまうことはありえます。そこで今度は、トラブルが起きてしまった場合の対処法について紹介しましょう。
対処法のひとつ目は「住宅瑕疵担保責任保険を確認すること」です。施工ミスや設備の不具合などの住宅に関するトラブルなら、住宅瑕疵担保責任保険を確認してみてください。住宅瑕疵担保責任保険は、法律で義務付けられている保険です。住宅の引き渡しから10年の間に、雨漏りと基本構造部分に問題が発生したら、施工業者は無償で修復をする必要があるという内容になっています。保証内容は限られますが、住宅瑕疵担保責任保険の内容に該当するトラブルかチェックしてみてはいかがでしょうか。
対処法の2つ目は「第三者検査機関・専門家に相談すること」です。住宅トラブルというと、難しそうな対処に途方に暮れてしまう人もいるでしょう。しかし、トラブルを解決してくれるプロも在籍しているので安心してくださいね。たとえば、国民生活センターは、日本全国に消費生活相談窓口が設置されています。「188」に電話すると案内してもらえるので、困っている人は試してみてはいかがでしょうか。また、法律関係のトラブルの場合は日本司法支援センターの「法テラス」に相談することもおすすめです。電話の通話料はかかりますが、利用料は無料ですよ。
対処法の3つ目は「身近な人に相談すること」です。身近な人に相談することで、問題解決はできないかもしれません。しかし親身になって話を聞いてもらうと、考えがまとまり、トラブルに冷静に対処できるのではないでしょうか。住宅トラブルに対処することは、ストレスがたまるものでしょう。身近な人に相談し、ストレスをため込まないようにしてくださいね。
対処法の4つ目は「住み替えを検討すること」です。これは最終手段ですが、住宅トラブルがどうしても解決できない場合は、住み替えを検討するのも手立てのひとつといえます。建築したての住宅は高く売れる場合も多く、また賃貸住宅としてほかの人に貸し出すこともできるでしょう。信頼できる不動産会社をいくつか選び、査定に出してから売却を考えることもできそうです。
注文住宅を建てる際に起きがちなトラブルや、その回避法・対処法について紹介しました。トラブルの回避法としては、担当者と密にコミュニケーションを取ることや、近隣住民に事前に挨拶まわりをすることなどがあります。トラブルの対処法としては保険で解決できるか確認すること、相談窓口を利用することが重要です。理想を詰め込んだ注文住宅は憧れますが、注文住宅で失敗しないためにもしっかりチェックしてみてくださいね。