家の購入を考えている方の中には、屋上に憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。たしかに屋上は、開放的ですし、非日常的な時間が楽しめます。当然ですが、屋上があるとさまざまなメリットを感じるでしょう。しかし、必ずしもメリットだけとは限りません。屋上を検討するときは、メリットとデメリットをしっかり把握しておきましょう。
多様なシーンで活躍!屋上のある家のメリット
ほとんどの方は、屋上があったらしたいことをすぐに思い浮かべられるはずです。たとえば、屋上で休日をゆっくり過ごしたいと考えている方も多いでしょう。しかし、屋上は、思っている以上に、多様なシーンで活躍します。そこで屋上のある家のメリットをご紹介します。
景色が楽しめる
家を建てる場所がよければ、素敵な景色が楽しめます。もちろん、景色は二階部分の窓からでも楽しめますが、解放感がまったく違うでしょう。ちょっとした高台や海が近い場合は、最高のロケーションです。
洗濯物がたくさん干せる
屋上は、洋服をはじめ布団や靴など多くの洗濯物を干せます。しかも屋上ですから、周囲に高い建物がない場合は、一日中日当たりがよい状態です。洗濯物の乾きも早いですし、日光による殺菌効果も期待できます。また、周囲に高い建物がなければ、人目が気になりません。
ちょっとした庭が作れる
屋上は、ちょっとした庭にも変身します。とくに敷地いっぱいに家を建てた場合は、地面に庭のスペースが取れません。もし、どうしても庭が欲しいときは、屋上を庭にするという選択肢も出てくるでしょう。また、家庭菜園も可能です。人目を気にせずに野菜を作りたいという方には、屋上は最適な家庭菜園スペースになります。
楽しめるプライベート空間
屋上をどのように使うのかは、各家庭の自由です。人工芝などを敷いてレジャー気分を楽しむ、日光浴ができるような椅子を置く、さらには子ども用のプールなどを設置してもいいかもしれません。使い方しだいでは、非日常的な時間を満喫できるでしょう。
おもてなしの場所として
屋上は、おもてなしの場所としても活躍します。たとえば、料理などを用意して家族の誕生パーティーを楽しむことも可能です。また、親族や友人を呼んで盛大なパーティーを開くこともできます。もし、夜にパーティーを開催すれば、星空を楽しめるビアガーデンのようになるかもしれません。
メンテナンスが大変…屋上のある家のデメリット
屋上のある家は、さまざまな夢を叶えます。しかし、一般的な住宅と同じように劣化することを忘れてはいけませんし、使わなくなった場合は不要なスペースになるので要注意です。屋上を設けて後悔したと思わないためには、デメリット部分も必ず把握しておきましょう。
建築と維持のコスト
屋上のある家にする場合は、建築コストと維持コストが高くなります。なぜなら、屋上はさまざまな追加工事も必要だからです。屋上への階段やドア、さらには屋上に出るための部屋も必要になります。屋上の規模やデザインにもよりますが、屋上部分だけでも数百万円程度の費用になるでしょう。
排水溝の清掃に苦労する
屋上には、雨水はもちろんですが、砂ぼこりや樹木の葉なども飛来します。もし、排水溝の清掃を怠り、詰まったときは大変です。最悪の場合は、湖のようになって室内が雨漏りするかもしれません。しかし、排水溝の清掃は非常に大変で苦労します。
なぜなら、室内と違って夏は暑く、冬は寒いからです。雨や雪が降っているときは、さらに困難になるでしょう。室内と同じく丁寧に清掃する必要はないかもしれませんが、排水溝のつまりはつねに気をつける必要があるでしょう。
屋上フロアの清掃が大変
屋上フロア全体の清掃は、清掃する範囲が広いため、排水溝よりも大変かもしれません。とくに前述した夏は、熱中症の危険性も秘めています。屋上フロアの清掃は、室内と同じ頻度で清掃する必要はありませんが、屋上を来客時などに使い場合は清掃の頻度は自然に増加するでしょう。あまりにも清掃を怠ると、見た目が汚れるだけでなく、排水溝のつまりによる雨漏りの原因になります。
放置状態になる
屋上は、せっかく作ったのにもかかわらず、放置状態になるケースも少なくありません。一言で放置といっても、屋上まで行くのが面倒になった、子どもが自分たちの家を持った、思ったよりも屋上を使う機会が少なかったなど理由はさまざまです。もちろん、使用頻度が下がることに何ら問題はありませんが、使用頻度とともに清掃頻度が落ちると室内への雨漏りに繋がる可能性があるので要注意です。
使えなくなる可能性
何のために屋上を設けるのかは、とても重要です。たとえば、ちょっとした屋上の庭が欲しい、洗濯物をたくさん干したい、友人などを呼んでパーティーを開きたいなどさまざまな活用方法を考えているでしょう。
しかし、パーティーなどで使いたい場合は、近所への配慮も必要です。バーベキューの煙や大きな声は、近隣とのトラブルになる可能性も秘めています。万が一、トラブルになったときには、せっかく設けた屋上が使えなくなるので気をつけましょう。
屋上のある家で後悔しないためのポイント
最後に屋上のある家を建てるときのポイントについて解説します。完成後に公開しないようにしっかり覚えておきましょう。
プライバシーの問題
基本的に屋上から周囲が一望できるということは、周囲からも見られています。とくに二階建ての住宅ではなく、マンションやアパートといった高い建物が近くにある場合は、見られている可能性が高いでしょう。家を建てた後に大きなマンションができたというときは、仕方がないかもしれません。しかし、すでにマンションなどが近くにある場合は、見られるかもしれないという意識も大切です。
なぜ屋上がほしいのか
漠然と屋上がほしいという考え方は、失敗の原因になるので要注意です。なぜ屋上が欲しいのか、そしてどのように使いたいのかをある程度は考えておきましょう。欲しい理由や使い方が決まっていれば、壁、手すり、床などのデザインが選びやすくなります。
壁や手すりなどのデザイン
壁や手すりなどのデザインは、家の雰囲気にあったものを選びましょう。もちろん、奇抜なデザインでも問題ありませんが、外壁などと合わないデザインにした場合は、バランスの良い家に仕上がりません。また、手すりの高さは、1.1m以上と法律で定めています。とくに子どもがいる家庭は、デザインだけでなく安全面も重要です。
屋上へのアクセス
屋上を設けるときは、屋上へのアクセスも考えましょう。一般的には家の二階部分から出入りするようになりますが、使い方によって適した場所があるはずです。たとえば、布団などを干したい場合は寝室に近いところ、パーティーなどを開きたいときは二階にキッチンを造り、その付近に屋上への階段を造ったほうがベストかもしれません。また、屋上で家庭菜園を行うのであれば、土などで汚れる可能性もあります。屋上へのアクセスは、屋上が欲しい理由や使い方とセットで考えましょう。
排水設備
近年は、大雪やゲリラ雨による被害が増えています。とくに短時間で降るゲリラ豪雨は、一瞬で水浸しになるので要注意です。もちろん、建築基準に沿って建てた家なら問題ありませんが、雪やゲリラ豪雨に対処できるかは必ず確認しておきましょう。
まとめ
屋上は、さまざまなシーンで利用できる便利なスペースです。休日をゆっくり過ごすために使ってもよいですし、洗濯物を干すといった日常的な利用もよいでしょう。しかし、一見便利に感じる屋上にもデメリットがあることを忘れてはいけません。こまめな掃除をはじめとしたメンテナンスを怠ると、雨漏りの原因になるので要注意です。屋上を設ける際は、メリットとデメリットの両方を念頭に置きながら検討しましょう。