家づくりをする際「コンセントを多くすると費用が高くなるから必要最低限でいいのではないか」と思う人もいるでしょう。しかし、コンセント計画は意外と大切です。実際、コンセントの高さが合わなかったり、数が足りなかったりして後悔する人も少なくありません。ここでは、後悔しないためのポイントやコンセントの種類について紹介します。
実は失敗が多い「コンセント問題」
実は失敗が多いのが、コンセントに関してです。家づくりをするとき、間取りやキッチン設備にこだわるという人はたくさんいますが、コンセントの配置についてじっくり検討をするという人はあまり多くありません。しかし、コンセントは毎日の生活に欠かせないものなので、計画的に配置しないと後悔することになるかもしれません。ここでは、コンセントの配置でよくある失敗について紹介します。
コンセントの数が足りない
意外と多いのは、コンセントの数が足りないという声です。最近は携帯電話やタブレットなど、日常的に使う電化製品の数が増えました。さらに、携帯電話などひとり1台持つようになり、コンセントの数もよりたくさん必要です。コンセントを後から増設しようとすると、電気工事業者に工事をしてもらう必要があり、大変です。これから家づくりをするという方は「コンセントは少しくらい多いほうがいい」と覚えておいてください。
コンセントの高さが合わない
コンセントの高さが合わないという失敗もあります。多くのコンセントは床から20〜25cmの場所に設置されます。しかし、場合によって、洗濯機などの電化製品の高さに合わせたり、家具で隠れないようにコンセントの位置を工夫したりしなければなりません。また、子どもに触れさせないためにコンセントを高い位置に設置しようとする人がいますが、配線コードにつまずいたり、プラグ部分が落下してけがをしたりする事故が発生しています。子どもやペット対策としてコンセントキャップなどが販売されているので、コンセントの高さは最も使い勝手のよい位置に設置するようにしましょう。
スマホの充電スペースがない
意外と後悔している人が多いのが、スマホの充電スペースがないという点です。家の中でスマホをよく触る場所や就寝中に充電する場所を想定することが大切です。ソファーや枕元にコンセントがないと不便に感じることがあるため、スマホの充電用のコンセントを設置しましょう。
季節に合った用途を考えていなかった
季節に合った用途を考えていなかったという声もあります。冬に間取りの打ち合わせをすると、夏場限定で使う扇風機などのコンセントを設置し忘れたという人がいます。1年を通してコンセントの用途目的は変化するので、しっかり考えるようにしましょう。
コンセントにもさまざまな種類がある
コンセントにもさまざまな種類があります。ここでは、コンセントの種類に分けて特徴を紹介します。
1口コンセント
一般的によく使われている縦長の穴が2つ並んだ差し込み口のものです。2つの差し込み口の役割は異なり、右側には電圧がかかり、左側の穴は地面につながり余分な電気を外に逃す働きをします。コンセントの数に応じて、1口コンセント、2口コンセントと名前が変わります。
フロアコンセント
フロアコンセントとは、床に埋め込まれているコンセントです。使わないときは床に収納できるため、普段はコンセントを隠すことができます。キッチンやリビングの床に設置すると、ホットプレートを使用するときなど、いざというときに便利です。
抜け止め式コンセント
抜け止め式コンセントはひねらないとコンセントからプラグが抜けない仕組みになっています。パソコンやプリンター、電子レンジなどプラグが簡単に抜けると困る場所に設置します。
マグネット式コンセント
マグネット式コンセントとは、マグネットがくっついた際に通電する仕組みになっています。簡単に外れるため、ケーブルにつまずいても転倒を防ぐことができます。子どもやお年寄りがよく通る場所に設置するとよいでしょう。
アース付コンセント
アース端子がついたコンセントです。キッチンで使用する家電製品や洗濯機など、アース接続が必要な家電製品を使う場合に設置されます。
マルチメディアコンセント
テレビを設置する場所に使用されるコンセントで、LAN受け口、テレビ受け口、コンセントが一体になったものです。
防水コンセント
屋外用のコンセントで、水がかかっても大丈夫なタイプです。ベランダや駐車場などでよく設置されます。
シャッター式コンセント
コンセントの穴にカバーが付いていて、プラグを差し込むときだけカバーが開き、使用しないときはカバーでふたがされる仕組みです。小さな子どものいたずらやほこりの侵入を防ぐことができます。テレビ裏など埃が溜まりやすい場所に設置されます。
足元灯付コンセント
足元灯がついたコンセントです。センサー式やスイッチ式があります。寝室からトイレまでの通路や階段など、足元を照らしたい場所に設置されます。
USBコンセント
USBコンセントは名前の通り、USB端子用のコンセントです。携帯電話や電子タバコの充電を行うために、キッチンや寝室に設置されることがあります。
200V用コンセント
200Vコンセントは通常の100Vよりパワーが約2倍強く、広い部屋用のエアコンやオーブンレンジなどのために使用するコンセントです。コンセントの形状は100Vのものとは異なります。
三相200Vコンセント
三相200Vはショッピングモールや工場などに設置されるコンセントです。挿し込み口は3つあり、業務用に特化しています。三相200を使用する場合、家庭用とは異なる電力会社との契約が必要です。
失敗しないためのポイントとは
コンセントが足りないなど、後から後悔しないために間取り設計の段階で注意しておきたいポイントについて紹介します。
新居での生活を具体的にイメージする
通常、間取りができてからコンセントの配置計画を考えます。図面を見ながら新しい生活を具体的にイメージしましょう。朝起きてからどこでどのような行動をするか、家族の動きを紙に書き込んで考えのもいいかもしれません。そして、使用している家電を一覧にし、部屋ごとに家電を分類します。家電の位置が決まると、本当に必要なコンセントの数や位置を明確に想定できます。扉に当たらない位置かどうかも忘れてはいけません。
高さを考える
高さの調整も大切です。たとえば、かがむ動作が大変な場所や机の上で使うためのコンセントであれば高さを調整する必要があります。また、洗濯機や冷蔵庫、エアコンなどの家電用コンセントも高さが合わないと後悔することになります。
年齢による生活の変化を想定する
家族の年齢の変化や体の状況なども想定しておく必要があります。たとえば、子どもが増えたり成長することで部屋の使い方が変化したり、歳を重ねて足腰が悪くなったり、想定できる範囲でイメージするようにしましょう。さらに、リビングや寝室の模様替えをしたときにコンセントがなくて困ることもあるため、思っているよりも多めに設置しておくことをおすすめします。
コンセント計画は、しっかり考えておかないと後悔することになります。必要最低限のコンセントしか設置していないと、数が足りなかったり、充電スペースがなかったりと生活してから困る可能性が高いです。コンセントの種類もたくさんあるため、新しい生活を具体的に想像しながら計画を立てることをおすすめします。季節によっても使う家電製品は異なるため、1年を通した生活を想像しましょう。また、年数が経つにつれて年齢や体の調子も変化するため、長期的な視点で生活をイメージする必要があります。コンセント計画を慎重に行い、快適な家づくりを成功させましょう。