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公開日:2023/04/15  最終更新日:2023/02/16

注文住宅に和室を作ろう!畳の基本知識を解説!

和室という空間は、日本人にとってはとても親しみ深いものです。爽やかない草の香りや落ち着いた日本的な雰囲気を演出してくれる和室は、根強い人気があります。住宅を新築する際に和室を作りたいという方も多く、モダンな住宅にも合う和室も出てきました。そこで今回は、和室を作るときに知っておきたいポイントについて解説します。

和室の基本的な構成とは

和室とは、床に畳を敷きふすまや障子で仕切られた部屋のことを言います。伝統的な日本の和室の構造について説明しましょう。

床の間

和室の奥・上座に作られるスペースで、床から一段高く作られています。来客をもてなしたり、季節の移ろいを演出するという目的があり、掛け軸をかけたり、花を生けたりします。最近は、本格的な床の間ではなく、簡単な飾り棚を作ることも多くなっています。

床柱(とこばしら)

床の間の中心的な柱のことで、角柱・円柱などのカタチの違いだけでなく、木材の種類により、床の間の格が決まります。

床板(とこいた)・床畳(とこだたみ)

床の間の地板のことです。板を使用しているものが床板で、畳を使用したものを床畳と言い、床板よりも格式が高くなります。

鴨居(かもい)と敷居(しきい)

部屋の出入り口上部に横方向に設置される建材で、ふすまや障子をスライドさせるために溝が作られています。鴨居とセットで出入り口の下部横方向に設置される建材が敷居です。敷居は部屋と廊下、外と屋内を隔てる結界(境界)という役目があり、それを踏むことは失礼にあたるとされています。

長押(なげし)

柱と柱を水平につなげる横木です。鴨居の上に取り付けられる内法長押(うちのりなげし)や天井に接している天井長押などがあります。

欄間(らんま)

和室と和室、和室と廊下などの境で、鴨井と天井の間にはめ込まれた仕切りのことです。風を通す役目や灯り取りとしての役目があり、透かしや趣のある装飾がほどこされているものも多くあります。

小壁(こかべ)

鴨居の上にある狭い壁のことです。

ふすま

部屋と部屋、部屋の押し入れの扉として使用する建具です。和紙を使ったものやベニヤを貼った板ふすまなどがあります。

障子

格子状に木を組んで和紙を張った建具で、柔らかい光を通すため、部屋を明るくしてくれます。和紙以外にはガラスをはめ込んだものや、上下に動く障子がはめ込まれた雪見障子などの種類があります。

畳は、和室には欠かすことのできない床材です。さまざまな魅力がある畳は、和室だけでなく洋室の一角に置くだけで、和風の雰囲気を出すことができます。

畳の魅力と基本用語を解説!

畳は、畳表(たたみおもて)・畳床(たたみどこ)・畳縁(たたみへり)で構成されています。

畳表

畳表とは、畳の表面のことでい草を編んで作られるものが一般的です。素材はい草以外に和紙や化学繊維などを使用することもあります。

畳床

畳表を縫い付ける土台が畳床で、わらを使ったもののほかにインシュレーションボードやポリスチレンフォームなどの化学素材を使用した畳床も多く見られます。

畳縁

畳縁は、畳の長い方の辺に縁どられる布のことです。さまざまな色や柄があり、その種類によって畳の格が変わります。ちなみに畳の短い方の辺を框(かまち)と呼びます。

畳の魅力

新しい和室に入ると、清々しい香りがとても気持ちよく、リラックスできます。これは畳の主な素材であるい草によるもので、心を静めてくれる効果もあります。畳にはそのほかにも、湿気を調整する効果や断熱・保温効果、防音効果、空気の浄化作用などの効果も認められています。フローリングとは異なり、弾力性もあるので、幼い子や高齢者が転んでも怪我をしにくいことも魅力です。

畳にもさまざまな種類がある?

ひとくちに畳といっても、その種類はさまざまです。こちらでは畳の見た目・畳表の種類・畳床の種類などについてそれぞれの特徴とともに紹介します。

見た目別の種類

畳を大きく分けると、畳縁があるものとないものに分けられます。一般的によく見られるのが縁つき畳です。畳縁の柄を変えることで部屋の雰囲気が変わり、壁紙や部屋のイメージとコーディネートできます。本格的な和室に仕上げるなら、この縁あり畳がおすすめです。

最近人気なのが、縁なし畳です。縁なし畳の代表的なものが琉球畳で「七島イ」というい草が使用された半畳作りの畳となっています。すっきりとしたモダンな印象が素敵な縁なし畳には、カラーのバリエーションも多く、洋室やフローリングにもマッチするので、畳コーナーとして使用する方も多く見られます。デザインにこだわりたい方にもおすすめの畳です。

畳表の種類

畳の肌触りと印象を決める畳表にも、さまざまな種類があります。伝統的な畳表の素材は、い草ですが、生産地により、特徴や価格が異なります。大きく分けると国産と中国産となり、国産のい草は弾力性や耐久性に優れ、高品質な素材として定評があります。い草の香りも豊かで高品質な畳となるため、値段も高額となっています。一般的な住宅に使用されている畳のおよそ8割を占めているのは、国産い草より安価な中国産い草です。ただ国産に比べて耐久性や弾力性、香りなど品質的には劣っています。

また中国産い草は、船便で運ばれてくるために輸送中のカビを予防するためのカビ防止剤を使用しているため、赤ちゃんやアレルギーが気になる方は注意が必要です。そのほかに、イグサを使用せずに和紙やポリプロピレンなどを使った化学表という種類があります。化学表の特徴は、ダニ・ノミ・カビに強い、耐久性が高い、湿気に強い、カラーバリエーションが多いなどです。畳ならではの風合いやい草の香りが感じられないという難点もあります。

畳床の種類

畳の土台ともいうべき畳床の種類には、大きく分けて次のような3種類になります。

・わら床

・サンドイッチ畳床

・建材畳床

わら床とは、わらを何層にも重ねて作られる伝統的な畳床のことです。断熱性や保湿効果に優れ、耐久性や弾力性も高いのですが、通気性の悪い環境ではカビやダニが発生しやすくなります。そのため、こまめなお手入れが必要です。

サンドイッチ畳床とは、わら床の間にポリスチレンフォームやインシュレーションボード(木の繊維で作ったボード)などを挟んだものです。わら床と比較すると軽量で、湿気にも強く、耐久性・断熱性のほか、使用感もわら床に近いものがあります。その上価格もわら床より安いので、品質を落とさずできるだけコストを抑えたいという場合にはおすすめです。

建材畳床とは、わらはまったく使用せずに、インシュレーションボードやポリスチレンフォームなどで作られたものです。ダニ発生の心配がなく、断熱性・防音性にも優れているという特徴があります。ほかの畳床よりも安価という点で、利用しやすく、現在ではこのタイプが市場の7割以上を占めているともいわれています。

お部屋に合った畳選びをしよう

畳を選ぶ場合は、前述の畳表・畳床それぞれの素材を確認した上で、住宅の環境や希望に応じた素材を選ぶことが大切です。たとえば、肌が敏感な方や赤ちゃんがいるなら天然素材の安心なものを、あまり風通しがよくない立地なら化学表で建材畳床を選ぶ、価格重視なら中国産表にするなど、あなたの希望に合わせて検討してみてください。そのほか、デザイン性や使用用途も畳選びのポイントとなります。

住宅全体のイメージに合わせる

和室を作るうえで大切なのは、家全体の雰囲気と合わせることです。和室だけが変に浮いてしまわないように、ほかの部屋とのイメージを統一しましょう。壁紙の色と畳縁のデザインカラーを合わせたり、畳表のカラーをコーディネートしたりすることで、ほかの部屋との一体感がありながら趣のある和室を作ることができます。モダンな雰囲気にしたいなら、縁なし畳を使用するという選択肢もあります。

押し入れの設置

和室に定番の押し入れの設置も検討してみてはいかがでしょう。押入れがあると収納が大幅に増えるというメリットのほかに押し入れふすまの柄で和室をより素敵な空間に演出する楽しみが増えます。

まとめ

い草の香りに癒やされ、和室という日本的な空間にいることで気持ちが落ち着いたという経験を持っている方は日本人に限らず多くいいます。和室が自宅にあれば、癒やしのスペースとしても活躍してくれます。今回紹介した和室の基本的な知識を参考に、ぜひあなたのライフスタイル、ご家族皆さんの希望に合わせた素敵な和の空間を演出してみてください。