これから住宅のデザインをおしゃれにしたいと考えている人は、玄関を引き戸にしてみませんか。かつて昔は、引き戸では防犯性が低いという声もありましたが、近年では防犯性が低いというデメリットを解消するために、性能が向上しています。今回は、引き戸の玄関にするメリットとデメリットを紹介します。
そもそも引き戸とは何か
引き戸であれば、扉を開閉するときに、前後に人がいるかどうか確認する必要がありません。また、一歩下がって扉を開ける必要も無いので、圧倒的に開けやすいでしょう。
子どもやお年寄りなど、ドアを開閉する人の身長に関係なく操作できます。その魅力を詳しく解説します。
豊富なデザインがある
開き戸に負けないほど、豊富なデザインが販売されています。とくに軽くて丈夫なアルミ製が最も多くのメーカーで採用されている素材であり、デザインも豊富です。
自身がイメージしている玄関を実現できるかもしれません。近年では洋風のものもあり、家全体の雰囲気が洋風でもマッチできるようになっています。
前後にスペースを必要としない
玄関周辺のスペースを充実させたい人におすすめです。鉢植えを置くことや土間を作ることで、おしゃれな玄関を演出できます。また、広くスペースを確保できるので、子どもの遊び道具や車いすなども置けます。
引き戸の種類
ここからは、引き戸の種類について紹介します。自身の家や好みに合ったものを選びましょう。
片引き戸
ドアを左右両方ではなく、左右どちらかに引くタイプの製品になります。スペースをあまり確保できない人におすすめです。また、固定部分にガラスを使用する人も多いので、おしゃれに仕上げられます。
引き違い戸
2枚建てとなっています。片引き戸よりも大きく開けるのが特徴です。枚数を増加することもできますが、そのぶん費用が高額になるので注意しましょう。
引き分け戸
引き分け戸は、一番外側にある2枚を固定しているのが特徴です。最も高価な製品になるため、予算に余裕がある人は採用しましょう。
引き込み戸
壁に引き戸を入れられるようになっている戸です。スペースをあまり確保できない人にもおすすめです。
アルミ製の特徴
主流の素材なので、デザインが豊富に揃っているのが特徴です。断熱性は低めですが、雨風での劣化が起こりにくいので長持ちしやすいです。
豊富なデザインから選べることと、防犯性が高いことがポイントです。アルミ製は主流の素材となっているので、素材選びに迷った人や、特にこだわりが無い人はアルミ製を選択するとよいでしょう。
木製の特徴
高級感と温かみがある住宅を実現したい人におすすめです。断熱性にも優れており、住宅の劣化の進行を緩やかにする効果が期待できます。
ただし、費用が高額になるだけではなく、概ね半年から1年で塗料を塗り直さなければいけません。そのため、初期費用だけではなく、イニシャルコストの負担も大きいでしょう。見た目に差を付けられることと、断熱性に優れていることがポイントです。
ガラス製の特徴
こちらは、ドア自体にガラスをはめ込んでいるタイプの製品や、片方の開き戸の袖部がガラスになっているタイプの製品が販売されています。
豊富なデザインから選択できることと、断熱性に優れていることがポイントです。防犯性に不安がある人は、すりガラスのものを採用しましょう。
玄関を引き戸にするメリット
ここからは、引き戸にするメリットを4点紹介します。
開閉が楽にできる
その場で横に引くだけなので、開閉が楽にできるメリットがあります。ドアを開けるために一歩下がる必要もありません。車いすに乗っている人は、車いすに乗ったままドアの開閉ができます。
また開き戸のときは、子どもがドアノブに手がかけられなくて苦労するでしょう。引き戸であれば、子どもの身長に関係なくドアを開閉できるので、子どものストレスも蓄積されません。
開ける幅を自由に選択できる
開き戸はドアを開放したまま放置できないので、ドアストッパーなどを準備しなければいけません。引き戸であれば、ドアを開放したまま放置できるので、お年寄りが車いすに乗って玄関を通過するときなどにおすすめです。
また、好きな幅で開放できるので、換気のときにも便利です。そして、近隣住民の人とドア越しに会話するときも、ドアを手で押さえておく必要もありません。
玄関ポーチが広く使用できる
開き戸のように前後にスペースを確保する必要がありません。そのため、玄関ポーチを広く使用できます。
扉による怪我が少ない
子どもが扉に指を挟めて怪我するリスクが少なくなります。また、お年寄りが段差に足が引っかかることで、転倒するリスクが少なくなります。
以上のことから、バリアフリーの住宅を実現したいと考えている人におすすめです。
玄関を引き戸にするデメリット
引き戸にはさまざまなメリットがありますが、デメリットもあります。ここからは引き戸にするデメリットを4点紹介します。
断熱性と気密性が低い
レールや溝から空気が出入りしやすいので、断熱性と気密性が低下しやすいデメリットがあります。ただし、近年のメーカー側は、開き戸よりも大きく断熱性や気密性が劣るとは発表していません。製品が開発されているので、性能が向上しています。
防犯性に不安がある
空き巣に狙われやすいので、防犯性に不安があるといわれています。扉同士の隙間があると、そこから工具などを使用して侵入される可能性があります。また、ガラス張りになっているので、照明が点灯していないと不在であることが分かってしまいます。
対策として、電子キー、複合ガラス、鍵穴隠しなどが有効です。また、玄関付近に防犯カメラを取り付けるなどして、空き巣の被害に遭わないようにしましょう。
広い間口が必要になる
最低でも畳2枚分のスペースが必要となります。どうしてもスペースを確保するのが難しいときは、引き込み戸を採用する方法や、狭いスペースでも取り付けられる製品を販売しているメーカーに工事を依頼しましょう。
近年では、住宅の大きさが小さくなっている特性があるので、メーカーも住宅の特性に応じた製品を開発している場合があります。気になる人や引き戸にこだわりたい人は、遠慮なく相談しましょう。
開き戸よりも費用が高い
工事するときは、ドアを取り付けるだけではなく、溝やレールも取り付けなければいけないので、開き戸よりも費用が高額になるデメリットがあります。
費用を抑えるために、一番安い製品を採用しようと考えがちですが、もともと開き戸よりも気密性が劣るので、さらに気密性が劣ってしまうリスクが考えられます。そのため、製品のグレードを下げきることが難しいので、結果として費用が高額になってしまうでしょう。
まとめ
和風のデザインだけではなく、洋風のデザインにも対応しているので、豊富な製品から自身に合ったものを選択できるようになっています。
将来的にバリアフリーの住宅で生活したいと考えている人は、住宅を建てるときに段差の少ない引き戸を採用しましょう。子どもやお年寄りも生活しやすくなっているのでおすすめです。